朧(おぼろ)なもやに包まれた夜更けは、裏山の杉木立の闇が気にかかる。京都・比叡山に、古くから語り継がれる七不思議の一つを思い出すからだ。かつて、人気のないその場所に、踏み入ろうとしたことがあった。...
田代山と帝釈山は、いずれも福島県と栃木県の県境に位置する山で、どちらも福島百名山であり、栃木百名山にもなっている名山である。田代山は山頂に広大な湿原のある標高1971mの台形の山で、...
2026年5月23日(土)、昭和村の喰丸小で菅家洋子さんが主宰する第6回ヒロシマ展『はだしのゲンが見たヒロシマ』上映会の午後の部に参加した。...
「ちょっこら畑見てみっか」
青梅雨の中で、畑の作物の緑は力強く黒い土を覆っている。午睡からまだ覚めやらぬ風の村の古老は、少し腰をかがめたまま玄関に掛けてあった雨蓑をひょいと羽織った。さらに雨避けの笠をかぶり、腰にはヒロロ...
人々が身近に木々を利用する山が近くにあってこそ、木の文化が醸成されるのだろう。日本列島は木がよく茂る国土であり、世界に冠たる木の国である。特に福島県の西部、新潟県と越後山脈を隔てて隣り合う「奥会津」と呼ばれる地は、...
>雪国では、雪の中で納豆を発酵させる不思議な方法が伝えられている。三島町間方の菅家アイ子さん、菅家春江さんが、「雪納豆」を作ってくださるという。2月の厳寒期だった。小降りになった雪の中で、...
初夏、奥会津では桐の花が紫にけむる。その桐の花より一足早く、杉林のあちこちに紫色の花を咲かせるのは藤の花だ。杉の木の先から花穂が垂れ下がっている様を天然の藤棚だ、などと喜んでいた時期もあったが、実はこの状態は山が手入れされなく...